| 2003 ワールドカップ蒲郡大会 |
6月15日、愛知県蒲郡市においてITUワールドカップ蒲郡大会が開催された。 気温25.2℃、水温24℃、湿度94.5%、西北西の風2m、曇り。 雨こそほとんど降らなかったものの、時折黒い雲が上空を行き来するまさしく梅雨本番の中、会場となった蒲郡競艇場だけは参加選手の熱気と2万2千人の観客の声援でジトッとまとわりつくような重い空気が振り払われていた。 男子58名、2時30分スタート。 スイムは競艇場のスタンド前にある大きなプールのような閉鎖水域を右回りに二周。 スタートして第一ブイまで約250m。アウト側7番グリッドからスタートした平野司が第一ブイ手前でトップをキープ。その後ろにアメリカ勢のアンディ・ポッツ、ジョー・アンフェナー、フランス勢のフランク・ビネ、ステファン・ポーラ、そして田山寛豪等が縦一列で続き、少し水が開きマット・リード(NZL)、アンドリー・グリュシェンコ(UKR)らを先頭に三角形の集団が前を追う。福井はこの集団の前方20番手ぐらいを進むが2周目に入り徐々に順位を落とし19分18秒、40位前後でスイムフィニッシュ。 バイクスタートはスタンド前のトランジッションエリアから。14ヶ所の直角カーブとUターン一ヶ所を含む平坦市街地コース。1周約5.7キロ。一キロ弱の直線コースを含むが典型的なクリテリュームコースを7周回。 二周目に入るころに平野、田山を含む5名の第一集団、40秒離れて、ピーター・ロバートソン、グレッグ・ベネット、シドニー金メダリストのサイモン・ウイットフィールドらの強豪選手を含む30名位の第二集団、なお30数秒離れて福井を含む5〜6名の第三集団が形成される。第一集団は平野、田山等が前半積極的に動き、逃げペースを作り上げる事に成功。それに比べ第二集団は二名の選手の追い上げを意識した逃げにも集団は反応せず、ペースが上がらない。逃げた二名も一周であきらめ集団に再吸収。第三集団は福井が積極的に前を引き追い上げを図る。少人数の上、引くのはほとんど福井という状態で苦しい追い上げが続く。 第二集団のペースが上がらなかったことも幸いであったが4週目に入る頃に何とか第二集団に追いつく。依然意思統一された第一集団のペースは落ちない。その差は一分強に開いている。 第二集団に追いついたものの福井はそのスローペースに満足できず、タイミングの合った3名の選手と共に第一集団の追い上げを兼ねたエスケープを試みる。一時は100m位リードしたが、このときはどういう訳か大きな集団が一列棒状になりこの4名を追い上げてきた。この4名の中に逃がしてはまずい選手、または第一集団に追いつかせてはまずいと考える選手が大きな集団のなかにいて、このエスケープを許さなかったようである。この4名を再吸収するころ週回数は残り2周。このような動きを見ると第二集団の前半から続いているスローペースも一つの戦略に支配されていたと考えるべきであろう。第一集団は日本選手二名、アメリカ選手二名、フランス選手一名である。 終盤に入りさすがの第一集団もランを意識してか牽制し合ってペースダウン。それでもバイクゴール時第一集団と第二集団の差は2分強となっていた。福井は第二集団のままゴール。 ランに入り、2分強遅れの第二集団からランスペシャリストのピーター・ロバートソン、グレッグ・ベネット、アジアの英雄ドミトリー・ガーグ(KAZ) 、アンドリー・グリュシェンコ 、ブライス・カーク(AUS)等が追走を始める。第一集団から最初に田山が遅れ初める。 2周目に入る頃に必死に逃げるバイク第一集団ゴールのフランク・ビネ、ジョー・アンフェナー、平野司等に後方からピーターを先頭に、ベネット、ガーグ等が襲い掛かるように迫ってくる。 ピーターは調子に波があるが今回のピーターは絶好調。後続のベネット、ガーグを徐々に引き離す勢いである。ラン最終周に入る頃までに、まず平野がかわされ、アンッフェナーも3人の餌食となる。 唯一残ったフランク・ビネ。世界ランキング71位。依然トップをキープ。フィニッシュまで1Kmをきる。ピーターの最後のスパートがかかる。フランス勢の最後の生き残りビネが逃げる。フィニッシュまで500m。ついにピーターがビネを捕らえ、すかさず引き離していく。後方200mに世界ランキング2位のベネット。スタンドの観客も総立ち。観客の声援か、女神がビネに力を与えたかベネットには交わされずピーターに8秒差の2位でフィニッシュ。ベネットはビネに16秒遅れの3位。ガーグはベネットに11秒遅れの4位。5位にジョー・アンッフェナー、6位アンドリュー・グリュシェンコ、そして7位に平野司。前週に韓国であったトンヨン大会で12位と好走した勢いからか、トンヨン以上の自己ベストといえるような走りで初のベスト10。 先週のトンヨン大会で優勝した世界ランキング1位のクリス・ヒル、金メダリスト、サイモン・ウイットフィールドはリタイア。 福井はトンヨンからの不調を引きずっていたものの、バイクまでは素晴らしい走りを見せてくれたがランで失速して51位。 福井の上にかかっている雲はまだ取りきれていないようだ。 |